郊外の住宅街として発達してきた都内の穴場
足立区は東京23区で最も北側にある、埼玉県との県境にある区です。
区境の北側は埼玉県の三郷市、草加市、川口市と接しており、東京と埼玉県をつなぐ玄関口として機能をしています。
足立区の代表的な住宅エリアとしてはまずJR線の北千住駅周辺があります。
こちらは上野駅からJR常磐線などでつながっているため、アクセスの利便性を重視して選ぶ人が多いというところがポイントです。
北千住駅はちょうど荒川と隅田川に挟まれた中洲のような形になっているのですが、この川一本隔てた場所にあるというところがポイントになっています。
歴史的には足立区は水路に恵まれていたことから数多くの工場があり、水運水利を利用して多くの製品を運んでいました。
そのため現在でも紡績業や製靴業を営む小さな工場が見られており、地元に古くから住んでいる人の多くは肉体労働をしてきたという経歴を持っていたりします。
なお豆知識ですがこの隅田川沿いにある製靴業の工場は、旧日本軍のための軍靴を製造していたという非常に優秀な技術を持ったところでした。
中でも極寒のシベリアに進軍するときに使用するための革靴は大変性能がよく、戦後はその技術を生かして革靴製品だけでなくランドセルを製造していきました。
千住地域の商店街はそうした地元の中小工場のためのものが多く、多少の商業開発が入ったものの基本的には小さな商店街によって生活圏が形成されています。
家賃相場の圧倒的安さがメリット
足立区に住む最大のメリットは何と言っても家賃相場の安さです。
持ち家を希望する人にとっても地価が都心部よりぐっと安く、中古の物件も多く見られているので手頃な価格で住む場所を探したいという人にとっては非常におすすめの地域となっています。
古くからの住民が多い足立区では住宅街でのコミュニティもしっかりしており、治安面や子育て面でも安心して生活をしていくことができます。
特に北千住駅は3つの路線が入るハブ駅としての役割を持っているので、都心部に通勤・通学をする人にとっても利便性の高い場所として評価をされています。
隅田川一本隔てた場所にあるというところも地価を下げる理由となっており、自動車や徒歩での移動に多少の不便はあるものの電車で移動をメインにしている人にとってはそれほど影響なく割安な家賃で住むことができます。
ただし大型商業地域がある都内の他の地域と比較して夜間の暗さが気になるところです。
住宅街では夜中になるとほとんど街灯がなく真っ暗になってしまうポイントも多いので、女性の一人歩きが多い家や遅くまで活動する子供がいる家庭などは入居前に周辺の環境をしっかり調べておいた方がよいでしょう。